今から始める暑熱順化のすすめ
１．はじめに
夏の暑さが年々厳しくなっている日本。
そこまで気温が高くないのにこんな症状は出ていませんか？
・めまい・立ちくらみがする
・頭痛・吐き気がある
・身体がだるい・力が入らない
・ボーっとしてしまう・意識がぼやける
・やたら汗をかく・または汗をかけない
・皮膚が暑い・赤い
・体温が高め
・たいして運動をしていないのに筋肉痛やこむら返りがおこる
・呼吸や脈が速い
まだ、身体が暑さに慣れていないのかもしれません。
暑くなるとこんな症状が起こることがあります。
毎年のように熱中症のリスクが話題になりますが
実は暑さに対して体を事前に慣らしておくことで
暑さに強い体をつくることができるのです。
これを「暑熱順化（しょねつじゅんか）」といいます。
今回は、これからの暑い季節に備えてどのように体を整えればよいか
避けるべきタブーや、無理なくできる暑熱順化の方法を
わかりやすくご紹介します。
２．暑熱順化とは？
暑熱順化とは、徐々に暑さに体を慣らすことです。
汗をかく機能や体温調節機能を高めて
熱中症になりにくい体を作るプロセスのことです。
順化が進むと、汗をかきやすくなり
体温が過剰に上がるのを防げるようになります。
また、体の中の水分やミネラルの調整もスムーズになり
夏バテしにくくなります。
３．暑熱順化ができていないと起こること
・汗が出にくく体温がこもる
・熱中症のリスクが高まる
・だるさ、頭痛、めまい
・食欲不振や不眠
・自律神経の乱れによるメンタル不調
毎年「夏になると体調が悪くなる」という方は
暑熱順化が不十分な可能性があります。
４．暑熱順化の始め方
■4-1 軽めの運動から始める
ウォーキングや軽いジョギング、ラジオ体操など
軽めの運動を1日15〜30分程度、少し汗ばむくらいの強度で行います。
屋外なら朝や夕方の涼しい時間帯がおすすめです。
■4-2 入浴習慣を見直す
シャワーだけで済ませがちな方は湯船につかること
をおすすめします。
38〜40℃のお湯に10〜15分ほどつかる習慣をつけましょう。
じんわり汗をかくことで、体温調節機能が活性化します。
■4-3 日常の中で“ちょっと暑い”を意識
室内でも、少しだけ冷房を控えて汗ばむ環境を
意識的に作ることが大切です。
ただし無理は禁物。
こまめに水分補給を行い、体調に合わせて調整しましょう。
■4-4 暑熱純化にかかる時間
厚さに慣れるまで通常、数日から2週間位掛かると言われています。
初期（初めの数日）：
汗の量が増え、汗の塩分濃度が低下してきます
中期(1週間くらい)）：
心拍数が低下。
体温の上昇に慣れてきて、耐性が高まってきます。
完全な順化（2週間くらい）：
汗の出方がスムーズに。
体温の上昇が抑えられるようになります。
５．してはいけない暑熱順化のタブー
・炎天下で急に激しい運動を始める
・水分補給を怠る
・サウナや長風呂での過剰な発汗（脱水の危険あり）
・睡眠不足のまま暑熱順化を試みる
・暑さに慣れる前の冷房ガンガン生活
これらは逆効果となり、体調を崩す原因になります。
徐々に、そして安全に進めることが大切です。
６．栄養面からのサポート
暑熱順化を助けるには、体の内側からの準備も重要です。
■おすすめ栄養素と食材
・ビタミンB群（代謝を高める）：豚肉、玄米、納豆、卵
・カリウム（汗で失われる電解質）：バナナ、ほうれん草、アボカド
・マグネシウム（神経と筋肉の調整）：アーモンド、ひじき、大豆
・クエン酸（疲労回復）：梅干し、レモン、酢
７．当院からのアドバイス
当院でも、夏に向けた体づくりのご相談が増えてきています。
体調が優れない方、毎年夏バテがひどい方は
今のうちから無理なく暑熱順化に取り組むことが
健やかな夏を迎える第一歩です。
生活習慣の見直しや、体質に合わせたアドバイスも可能ですので
ぜひお気軽にご相談ください。
８．まとめ
暑さに強い体は、突然は作れません。
暑熱順化は、今から少しずつ準備を始めることで
暑い季節でも快適に過ごすカギになります。
運動、入浴、栄養など、できることから無理なく始めて
夏を元気に乗り切りましょう！
